スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「白い子の受難の日」正月編その3

BLEACH 2次サイト様

ばうむくーへん
>様への捧げ文

もとい、押し付け文


「白い子の受難の日」
        ~正月編その3~



相変わらず、白様が不憫です(汗;
「白い子」シリーズは白様ニョタでございますw


白一護、好きなんですよ!?

本当ですよ!?



なのにだんだん可哀想になっていくのはナゼ・・?



単に私がおバカなだけだろう・・・・

うん、わかってるよ・・・


お持ち帰りは ぐるる様 のみです

「ばうむくーへん」様へは ↑ サイト名より飛べます


駄文は『...続きを読む』にて



ぽちっと一押し♪


元旦、そして初詣
      ~白い子の受難の日~




年が明けて、元旦。
遅い朝食を済ませ、一護達は部屋でゴロゴロしていた。
昨晩はルキアに連れ出されて除夜の鐘を突きに行き、寝るのが遅くなったため起きたのは既に朝とは呼べない時間だった。
途中で寝てしまったハクは、そのままの格好で寝かされたが、今は一護のトレーナーとルキアのパジャマの下を着ている。
ハクはルキアのパジャマを借りたが、如何せん胸のサイズが合わなかったのだ。

「むぅ・・・何故おぬしのほうが胸がでかいのだ・・・」
「俺が知るかよ。髭ダルマの趣味だろ?」
自分より男であるはずのハクの方が胸が大きいことに納得がいかないルキア。
対してハクはどうでも良いような態度だ。
クリスマスパーティのときとは違い、この義該は一心が用意したものだ。
今回は一護の意思もハクの意見も全く関係が無い。

「しかしルキアの服が着れないんじゃぁ、買ってくるしかないな」
「別にこのままでも良いじゃねぇか」
「何を言っておる。その格好では何処にも行けぬでは無いか!」
「行かなくて良い。出たらロクなことがねぇ」
「だけどよ、あと2日あるんだろ?いくらなんでもこのままって訳にはいかねーだろ」
そう。義該に閉じ込められた期限は3日間。まだ半日しか経っていない。
「それにそのままだと、また石田がなんか持ってくるぜ?」
「う・・・・それは嫌だ;」
脱ぎ捨てられ、部屋の隅に丸められたドレスを見て、一護達は思わずため息をついた。いくら正月とはいえあの格好は戴けない。いろんな意味で・・・


「ハク姉、居る?」
夏梨が白を呼びに部屋にやってきた。
「あ?何の用だ?」
「お風呂沸かしたからさ、入ってよ。夕べ入らなかったでしょ?」
夏梨に急かされるように腰を上げるハク。
「んじゃ、風呂入ってくるわ」
「ゆっくりしてこいよ」
「ああ」
一護達を部屋に残し夏梨と共に部屋を出て行ったハク。
このまま何事も無ければ良いが。よもや親父が風呂を覗くなんて事はしないだろうな、と一護は少しだけ心配になった。
妹達が居るから大丈夫だろうが。

ハクが一人で風呂に入ってのんびりと寛いでいると、脱衣所から夏梨の声がした。
「ハク姉。着替え、ここに置いていくね」
「あ、ああ。すまねぇな」
「ううん。ゆっくりしてね」
着替え、と言われてふと着替えがあったのかと疑問に思った。
まさか、また石田が持ってきたような奴じゃないかと思ったが、遊子ならともかく夏梨が置いていったものだからまともな物なんだろうとハクはそう思い、もう少しのんびりすることにした。
さすがに湯当たりしそうになってハクは風呂から上がった。体と髪を拭き着替えを手にする。
下着は普通に女物だった。特別変わったデザインでは無い。赤い苺柄だったが。
下着をつけ、更に手を伸ばすハク。
「これって、着物だよな?」
襦袢と着物らしき物がある。白い襦袢と淡いピンクのそれ。
柔らかくすべすべとして肌触りが良い。
袂が異様に長いのが気になったが、石田の持ってきたものよりははるかにマシだとハクはそれに手を通した。


「ハクの奴、遅いな」
「まさか風呂で寝てるんじゃねーだろうな」
「さすがにそれは無いであろう」
ハクが風呂に呼ばれて部屋を出てからかなりの時間が経っていた。虚のくせに風呂好きなのか?と疑問に思う一護。
その時、階下からぎゃああぁぁぁぁ!というハクの叫び声が聞こえた。
「逃げるんじゃない!」という一心の声もして、なにやらドタバタとしている。

「一護!」
「あんのクソ親父っ!」
一護とルキアは慌てて部屋を飛び出した。
「親父っ!何やっ・・て・・・」
騒ぎのしているリビングに飛び込んだ一護は言葉に詰まった。ハクは一心に締め付けられていた。そう、締め付けられていたのだ。
「おう、一護。良いところに来たな。ルキアちゃんもちょっと手伝ってくれ」
そう言うと一心は更にハクを締め付ける。
「ぐぅええぇぇっっ」
苦しそうに呻き声を上げるハク。状況を理解して思わず脱力する一護。
ハクは金糸銀糸をふんだんに使った帯に締められていたのだ。
ハクが着ているモノ。それは見事な振袖だった。
「親父・・・それ、どうしたんだよ?まさか買ったのか?」
「いや。レンタルだ」
「・・・おい」
ハクが着ている振袖は、それは繊細で上品なものだった。こんなものが正月・元旦当日にレンタルできるわけが無い。かなり以前から予約していなければ借りられないだろう。一体何時から予約していたのか・・・・
「よし、後は髪だなv」
ハクの着付けが終ると、一心はハクをソファーに座らせる。ハクはもうされるがままになっている。ぼぅとして抵抗する気力ももはや無い様だった。一心はハクの髪を結い上げると簪を挿した。そしてハクの唇に紅を刺した。
「よし!これでいいな♪さすが俺の娘☆」
ぐっ!と親指を立ててポーズをとる一心。ハクは魂が抜けたようになっている。ハクにしてみれば、いっそ抜けてくれたほうが良かっただろう。

「ほう・・・これは見事だな」
ルキアが感嘆の声を上げた。一心の前だと言うのに口調が変わっていないのはそれだけ感心したのだろう。
ハクの振袖は、極々淡いピンクの生地に全体に繊細なタッチで枝垂桜が描かれている。
裾と袂の下のほうは濃い藤色になっていて、裾の藤色の部分には流水が描かれ、やはり桜の絵柄を施した手毬が2個あしらってある。
下から上へと伸びる細い幹の黒さがとかくぼやけがちな絵柄を引き締めていた。
そして簪は桜と藤の花だ。白い髪と白い肌もあって、黙っていれば深窓のお嬢様だ。あくまで黙ってさえいればの話だが。


「一護、おめーもこれに着替えて出かけて来い」
一心は一護に羽織袴を渡すとそう言った。
「なんだよ、これ?つか、出かけるって何処にだよ?」
「おめーの着替えだ。ついでに借りた。何処って正月なんだから初詣に決まってんだろ」
「ついでって何だよ」
「ハクも初詣は初めてだろう?しっかり護ってやるんだぞ」
「・・・・わーったよ。着替えてくる」
ぐったりとしているハクが大人しく初詣に行くか怪しいが、ここでゴネても親父が煩い。いや、下手をすると親父がハクを連れて行くかもしれない。それはそれで何か嫌だ。というか危なすぎる。

部屋で着替えてリビングに戻ると、ハクが虚ろな目で見てきた。
「・・・なんで一護は俺のと同じじゃねーんだよ」
「当たり前だろっ!俺に振袖着ろって言うのかよ!?」
「俺は着たんだ!一護も着ろ!」
「無理だからっ!」
「あらあら。二人とも喧嘩はいけませんわ。ハクももっとおしとやかにしなければ。ねぇ、おじさま?」
ルキアがしなを作っておほほと笑う。隣では一心がうんうん頷いている。
「「(コイツ、猫被ったー!)」」
ルキアの普段を知っている二人は同時に心の中で叫んだ。一体何枚皮を被ってるんだ!?と思えるほどの豹変振りに驚きを通り越して呆れ果てる二人。

「おい、一護。あれって・・・」
「気にするな。いつもの事だ」
親父や妹達の前じゃ猫被ってんだよ、と小声でハクに言う。
バレて無いと思っているらしい。多分、バレてる。きっとバレてる。
「一護君も似合ってますわ。まるで七五三のようですわw」
「七五三かよッ!?」
「(しちごさん?一護が落ち込んでいる所を見ると、現世じゃあっちのほうが可笑しいのか?)」
死覇装とさして変らない袴姿をからかわれている一護を見て疑問に思うハク。七五三を知らないので判る筈も無い。そこに妹達がやってきた。

「わぁあ!ハク姉、綺麗!」
「ホント!お姫様みたい!」
「あ、一兄も着物なんだ」
「七五三みたいだね」
「・・・お前達まで;」
「(あ、また。こっちのほうがマシなのか・・?)」
妹達にまで七五三と言われ落ち込む一護を見て、もしかしたら振袖のほうがマシなのかと?と思うハク。
『お姫様』と言われたことには気になったが、落ち込む程からかわれるよりは褒められた方が気分は良かった。
「お父さん!ハク姉と写真撮って!」
「私も!ねっ?良いでしょ?ハク姉!」
妹達がハクに抱きついて一心にそう頼むと、いつの間にかデジカメを手にした一心が既にバシャバシャとシャッターを押しまくっている。
傍ではルキアが携帯を構えている。いつぞやと同じ光景が再現されている。あの時は浦原だったが。

「一護。おめーもハクの隣に行け」
一心がそう言うと、妹達もそれにのって一護をハクの隣に立たせた。
「おー、なかなか似合うじゃねーか。2人とも」
「うん、一兄とハク姉、お似合いだね!」
「結婚式みたい♪」
「「ぶっ!?」」
妹達のバクダン発言に固まる2人。ルキアでさえ携帯を構えたまま固まっていた。
「さぁ、お前達もいい加減初詣に行って来い。一護。ちゃんとハクを護るんだぞ!ルキアちゃんも2人のこと宜しく頼んだよ」
「お任せくださいませ。おじさまw」
充分に写真を撮って満足したらしい一心がそう言うと、早くも立ち直ったルキアが満面の営業スマイルで答えていた。
出掛けに一心から、寒いだろうからと渡されたふわふわのショールを身に着けたハクを連れて、一護とルキアは初詣に向かった。


「あ、黒崎君!白崎君もルキアちゃんも、明けましておめでとう!」
「やぁ、揃ってお出かけかい?朽木さんも白崎も明けましておめでとう」
「井上に石田に茶度ではないか!」
初詣に向かう途中、井上、石田、茶度に出会った。3人ともこれから初詣に向かうらしい。
「みんな、明けましておめでとう」
「・・・おめでとう」
「アケマシテ、オメデトウ?」
ハクもとりあえず挨拶をする。なんで疑問系なんだ?と一護に突っ込まれたが、内なる虚である自分には、年が明けて何がめでたいのか解からない。
その上、年末から・・・もっと言えばクリスマス・イヴからこっち、自分には災難しかないのだ。めでたくも無い。

「でも、白崎君の振袖、素敵だよね!すんごく似合ってるよ!」
「そうだね。白崎は白いから何を着ても良く似合う。それにしても、黒崎のは何だ?七五三か?」
「雨竜!てめぇ、七五三言うなっ!」
「だって、そうだろう?今時袴姿なんて、七五三か成人式で騒ぎを起こす馬鹿くらいだぞ」
雨竜、それは偏見だ。確かにニュースで成人式の式典で騒ぎを起こす新成人には袴姿が多いが。
それとも死神の死覇装が袴姿だからか?坊主憎けりゃ袈裟まで憎いと言う奴か?
ハクも普段は袴姿だ。殺されるぞ・・・。
訳のわからない口論を始めた一護と雨竜。誰も止める者は居ない。

一方ハクは、現世で袴姿と言うのは『しちごさん』か『騒ぎを起こす馬鹿』が着るのもだと認識していた。

「・・・良く似合っている」
「そうか?苦しいし動きづれーし、まともに歩くことも出来ねぇ・・」
茶度が2人の口論を傍観しながらハクに声をかければ、ハクの不満が出る。
「さぁ、馬鹿2人は置いておいて、さっさと行くぞ」
「待て!ルキア!俺と雨竜を一緒にするんじゃねぇ!」
「そうだよ、朽木さん!僕は黒崎のような馬鹿じゃない!」
「誰が馬鹿だとっ!コノヤロウ」
「君のことだよ!他に誰が居る!」
「・・・絶妙じゃねーか」
「息ぴったりだよね」
「・・・確かに」

相変わらず騒ぐ二人を無視して4人は初詣に向かった。
4人の後を一護と雨竜がまだ言い争いながら歩いている。
4人はそんな2人を見ないようにしていた。
俗に言う他人のフリだ。しかしハクは後ろの2人が気になって仕方が無い。
「ハク。気になるだろうが後ろを見るでないぞ」
「何でだよ?」
「あの2人と同じだと思われたくなければ、後ろは見るな」
「お、おぅ・・・」
後ろで毒舌漫才を続ける一護と雨竜。かなり注目を集めている。
さすがにあの2人の仲間にはなりたくないハクは思わず頷いてしまっていた。


「わぁ~・・・いっぱい人がいるねぇ」
「元日だからね。これでも減ったほうじゃないのか?」
「まだいたのかよ・・」
除夜の鐘を突きに来た時も参拝客は多かったが、今は更に人が多い。
これで減ったと言うのなら多い時にはどうなっていたんだろう?ハクはげんなりとした。
「おい、ハク。こっちだ」
不意に一護がハクの手を握ってハクを引き寄せた。突然のことで焦るハク。
「ぼーっとしてたら人込みに流されて、迷子になるぞ?お前。手ぇ握っててやるから離れるんじゃねーぞ」
「・・・おぅ」
「気持ち悪いくらい素直だな;」
「うるせぇ」
ハクにしてみれば、素直にならざるを得なかったのだ。
この人込みの中に流されて1人揉みくちゃにされるのは勘弁して欲しい。
気味悪がられようがなんだろうがそれだけは避けたかった。
この際、手でも何でも握られてやる。一護限定だが。雨竜だったら殴り倒している。

人込みを進むにつれハクは周囲の視線が気になっていた。
悪意や殺気は無いものの、ちらちらと周囲の人間がこちらを見ているのが解かる。
中にはじっとこちらを見ているものまで居る。ハクの機嫌が下がる。

「どうした?ハク」
「・・・見られてる」
「は?見られて・・?」
ハクに言われて辺りを見回す一護。確かにこちらをちらちらと見ている視線がある。
「あー・・こりゃぁお前を見てるんだよ」
「なんで俺!?」
「そりゃーお前が・・・」
「一護のせいじゃねーのかよ!?」
「なんで俺な・・」
「一護が『しちごさん』・・・・!」
「七五三は関係ねぇよ!」
思わず大声になってしまったために周囲の視線が一斉に一護とハクに向けられる。
「とっ、とにかく!先に進むぞ!」
いたたまれなくなった一護はハクの手を握ると人込みの中を進んでいった。

見られていたのはハクだ。今のハクは見た目だけなら目を張るような美少女なのだ。本人に自覚は無いが。
というか、あれだけ周りから綺麗だと言われて何故気がつかないのか。怒った顔もそれはそれで可愛いのだ。
一護は顔が赤くなっているのが分かって、ハクに顔を見られないようにして人込みの中を進んでいった。手だけはしっかり握って。
「遅いぞ、一護。何をしておったのだ」
「悪りぃ悪りぃ。ハクが遅れてよ」
「悪いのは全部俺のせいかよっ!?」
「振袖じゃ早く歩けないんだから仕方ねーだろ?」
とりあえずはフォローしているらしい。言い訳といっても良いが。

「で?これから、どーすんんだよ?」
「ああ、この先の本殿で今年一年の願い事を祈願するんだよ」
「お賽銭箱にお賽銭入れて、願い事を神様に願うんだよ」
「願い事ってなんだよ?」
「願い事は願い事だ。ほら、行くぞ」
流されるように賽銭箱の前まで来た一護達。それぞれに賽銭を投げ入れて願い事を祈願する。
『今年も沢山の人を護れますように』
一護の願い事がハクに伝わる。


『そして・・・』
「(・・・え?)」
一護の願い事にハクの思考が一瞬止まった。ありえない、そう思った。


「ハク、何をしておるのだ?」
ルキアの声にはっと我に返ったハク。
「早くしろよ、後つかえてんだから」
一護に急かされて慌ててハクも賽銭箱に賽銭を放り込む。
「(俺は・・・俺の願いは・・・)」
見よう見まねで願い事を済ませたハクと一護達はおみくじを引いたりお守りを買ったりして神社を後にした。
「ハク。お前、なに願い事したんだ?」
一護がこっそり聞いてきた。
「一護は『沢山の人を護りたい』だっけ?」
「てめぇ!また人の頭ん中読みやがったな!」
「伝わってきたんだよ。まったく。煩悩払ったんじゃねーのかよ」
「うるせぇよ。で?お前は何を願ったんだよ?」
「(食い下がるな)俺は・・・」
「俺は?」
「・・・・『早くこの義該から出られますように』?」
「随分と刹那的だな:」
「切実なんだよ;」
とにもかくにも災難続きのこの義該から出たい、というのは紛れも無いハクの『願い事』であった。


「ところでハク。その中には何が入っておるのだ?」
ルキアがハクが持つ巾着袋を指して聞いた。一心がハクに持たせたものだ。
「知らねぇ」
「中、見せてみろよ」
一護がハクから巾着袋を受け取り、中身を確認する。
入っていたのはハンカチ、ティッシュ、そして「お年玉」と書かれた封筒。
裏には『これで好きなものを買いなさい。一心パパ』と書かれている。しかも似顔絵つきで。
「うわっ、10万も入ってやがる。親父の奴、俺にはくれなかったくせに」
「ちょうど良い。ハクの着替えを買いに行くぞ!」
「えー・・・まだ歩くのかよ・・・」
初詣で疲れたハクは不満を口にする。相当嫌なようだ。
「どうせ着替えがいるのだ。ちょうど良いではないか」
「それとも雨竜の服、着るか?」
「行キマス、行カセテ下サイ・・・」
一護の言葉に思わずそう言ったハク。よほど雨竜の服は着たくないらしい。
当然と言えば当然だが。

デパートに着くと、中は初売りのため大勢の客でごった返していた。
この人込みの中、ハクを連れまわすのは無理だと思った一護達。疲れているせいもあるだろうが、中に入ったとたんハクの機嫌が一気に悪くなったのだ。
それはもう怖いくらいに。月牙でも放ちそうな勢いだ。目が完全に据わっている。
「お前達はここで待っておれ」
「白崎君の服は私達が選んでくるからね☆」
「サイズは僕が見るから大丈夫だよ♪」
ルキアと井上と雨竜がそう言って婦人服コーナーに入っていった。
井上と雨竜は楽しそうだ。特に雨竜が。
残った3人は傍のベンチでそれを見ていた。
男である雨竜が何のためらいも無く婦人服コーナーで服を物色している。ちょっと異様な光景だ。怪しいと言ってもいい。

「おい・・・」
ハクが一護に声をかける。
「どうした?ハク」
「あいつら、まともな服選ぶんだろうな?」
「あー・・・ちょっと無理かも」
3人が選んでは掲げる服は、遠目で見てもフリルやレースが使われているのが判る。それもこれでもかと言うくらいに。
あれでは雨竜の服と変らない。何のためにデパートまで来たのか。
雨竜の服を着たくないからだ。
これでは意味が無い。人選を誤った、としか言い様が無い。特に雨竜。

「俺が行ってくるよ・・・チャド。ハクを頼む」
「判った」
一護は茶度にハクを任せると婦人服売り場に入っていった。
「なぁ、茶度。一護に任せて大丈夫だと思うか?」
「む。大丈夫だと思うが・・・」
売り場では一護と3人が言い争っているようにも見える。やはりと言うか、どうみても一護が押されている。
「おめーも行ったほうが良いんじゃね?」
「いや・・・俺では勝てない・・・」
石田はともかくあの2人に勝つ自信は無い、と言い切る茶度。
この場合、雨竜のほうが強敵にも見える。一番張り切っているのは雨竜だ。
何故男の雨竜が婦人服売り場で輝いているのだろう。まるで水を得た魚のようだ。

婦人服コーナーでの買い物を済ませた後、別のコーナーへと向かう4人。
ハクと茶度は置いてけぼりだ。もっともついていく気は無い。
行った所で言い負かされるのがオチだろう。一護が言い負かされない保証も無いが。
「少しはマシなもん買ってくるんだろうな」
「そんなに石田の服が嫌なのか?」
「お前も着てみるか?ピンクのフリフリのドレスとメイド服」
「いや・・・・遠慮しておく・・・」
ハクが雨竜の服を嫌がる理由が判った茶度。
似合うだろう、と思ったが、思わず同情するのは仕方ないだろう。
ハクは男なのだから。今は美少女でも。

やがて、ありえない量の袋を提げた一護達が戻ってきた。
「何でそんなにあるんだよ?」
「服だけじゃ困るだろ?靴とかパジャマとか、他にもいろいろ・・・」
「ハクは寒がりだからな。マフラーや帽子も買ったのだ」
「いろいろ選んだんだよ!」
「まぁ・・・動き易そうなものを選んだから」
一護がそう言う隣で雨竜が不機嫌そうな顔をしている。雨竜が不機嫌、ということはかなりまともなものを選んだのだろう。
多分そういうことだ。・・・多分。





おまけ

初詣の帰りにデパートでハクの着替えを買って家に帰った一護達。
ルキアは初詣で買ったお守りを兄・白哉に渡すと言ってさっさと尸魂界に帰っていった。いったいどんなお守りを買ったのか。
家に着くなり振袖を脱がせろと騒ぐハク。よほど苦しかったらしい。
帯を解いてもらうとさっさと全部を脱ぎ捨て、下着だけになった。

「うおおおぉぉw 生き返ったぜ!」
一護のベッドにダイブして布団にすりすりと顔を擦り付けている。
「ハク、何か着ないと風邪引くぞ」
一護がデパートの袋から着替えを出す。薄いピンクの薄手のスウェットの上下だ。
パジャマの代わりらしい。選んだのはルキアだ。
やはり、というか苺のアクセントがある。嫌がるかと思えば意外とあっさりそれを着たハク。今まで着せられていたものを考えると色などもうどうでもいいらしい。

「一兄、ハク姉。ご飯の準備できたよ」
遊子が夕食に呼びにきた。
「わかった。おい、ハク。行くぞ」
「おう!」
勢いよく飛び起きるハク。ラフな格好になって機嫌が良い。『ハク姉』と呼ばれても気にもしていないようだ。
姉と言う立場に自覚が出たのか、気にならなくなったのか。多分本人も気がついていないのだろう。あえて言わないが。

「あれ?親父は?」
いつもならハイテンションなノリで飛び掛ってくるはずの一心が居ないことに気がついた一護が夏梨に聞いた。
「ヒゲなら医者同士の新年会だってさ」
「なんだ、居ねーのか。そりゃ良かった」
今日1日、初詣やらハクの着替えの買出しやらで歩き回って疲れているのだ。
煩い親父が居なくて助かった、と心底思う一護。
平和な夕食が過ぎていった。普通の家庭なら当たり前の、平和な夕食だった。

夕食が終わってハクが風呂に入っている間、一護は妹達とリビングで寛いでいた。
妹達は昼間撮ったハクとの写真を見てはしゃいでいる。一心がすぐさまプリントアウトしたらしい。
「ハク姉、綺麗だよね」
「これなんか、よく撮れているよね」
「一兄。これなんか良いと思わない?」
コーヒーを飲みながら一護は夏梨が差し出した写真を受け取る。
「これって結婚式の新郎と新婦だよね♪」
「・・・っ!?ごほっ!」
差し出された写真はハクと一護が並んでいるもの。2人とも笑ってはいるが、互いに引き攣った顔をしている。これのどこが新郎と新婦なのか。

「お前ら、ハクを何だと思ってるんだ?」
落ち着こうとコーヒーを口に含む一護。妹たちは、何を今更、と言った表情だ。
「え?何って・・・」
「ハク姉は一兄のお嫁さんでしょ?」
ぶーーーーーーっ!と盛大にコーヒーを噴出した一護。今、なんと言った!?
「汚いわね!一兄!」
「ハク姉に嫌われるわよ!」
ルキアが居なくて良かった!いやいや!突っ込むのはそこじゃないだろう!!
とんでもない勘違いに反論する余裕すらなくなった一護だった。


ちなみに、その頃ハクは風呂場で寝入ってしまい、溺れかけていた。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

あとがき

なんとか纏めた。纏まったと思う。
ギャグとしては盛り上がりに欠けたようだが・・・
茶度が上手く動いてくれねぇ;
無口だからねぇ・・・・
とりあえず、元旦の様子でしたw

          by妖(H23.1.3)
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

妖の姫巫女

Author:妖の姫巫女
桜鯖で頑張っている死にまくりのビショップ。自力で経験値が溜まらないと言う特技を持つ。メイポ・リア共に「総天然色」w

FC2カウンター
メイプルストーリー
カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧

めがねっちのフク笑い日記

モノクロメモリー

笑顔が大好きchopper!!さんのFC2

tsukuyomi☆月下ブログ
リンク
ランキング
ランキングに登録してみた
メイプル・ブログ
ネットをするなら
A8.net


口座開設


お買い物
楽天


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。